背守りとは?
「背守り」とは、「産着の後ろ襟下につける縫い飾り、飾り物。
これをつけることによって申請時に災いがかからぬように願う呪(まじな)いである。
(中略)
魔除け・虫封じの呪いでもある。(『日本民族大辞典』)とあり、
「魔除け」や幼子の健やかな成長を祈る心の形象化されたものととらえられている。
霊魂の不安定なおさな子は、背から魂が抜けたり、そこから魔が入り込むとされ、
産着などの一つ身の着物の後ろ襟から背中などに施された飾りである。
『背守り ― 子どもの魔よけ』 (LIXIL BOOKLET)より引用
この素敵な文化を残したいと、「背守り」をちくちくする場や仲間を増やしています。

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■関連書籍

背守り ― 子どもの魔よけ (LIXIL BOOKLET)
![「背守り」練習帖 [ガジェットブックス シリーズかたち]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51y9NoPt3iL._SL160_.jpg)
「背守り」練習帖 [ガジェットブックス シリーズかたち]
下中菜穂
9/15(土)に、オーガニックコットンの「プリスティン」自由が丘店で、
第1回の「背守りの会」を開催致しました。
外はあいにくの雨にもかかわらず、妊婦さんたちが集まってくださいました。

素敵な空間で、ゆったりと。とってもゆたかな時間となりました。
まずは練習。でも、なかなか図案が決まらない。
意味も気になるし、形が決まっても糸の色が決まらない…
お腹の赤ちゃんに思いを馳せ、選ぶ時間
なんとも言えない時間です。

針仕事が得意な人、久しぶりの方もいらでしゃるので、
肌着や洋服に縫う時には、練習をしてます
そして、本番!

みなさんが縫っている間に、ちらりほらりと、妊娠出産、産後のお話。
質問に答えたり、私から話を振ったり。
視線は手元に置きながら、話をする。
完成!

最後に、とっても美味しいお菓子をいただきながらゆったり、のんびり。
はじめてのお産の人、2人目の人。
お仕事を続ける人、しない人。
いろんな人が同じ時間を過ごし、未来の話をする。
こんな場所が増えるといいなぁと、思います。
次回会う時には、倍の人数ですね。
プリスティンでの背守りの会は、
吉祥寺 9/29(土)10時~
本店 9/29(土)14時~
詳しくは、下記をご覧ください。
http://www.pristine-official.jp/contents/?p=3243
背守りの文化を知れば知るほど、
この文化を残したい、伝いたいという思いは強くなる。
本物を見たい…
そして、2015年11月、願いがかなった。
着物は、本堂とは別の室温が管理された保管庫に保管されていた。
はじめに見せていただいたのが「百徳」と言われるもの。
古いものは江戸時代のものだそうだ。美しい。

「百徳」とは、子育ちのよい家や長寿の年寄りから端切れをもらい集め、
百枚を丹念に綴って子どもに着せると丈夫に育つという風習があった。
(中略)百人、すなわち多くの人々から徳をいただき、
その加護によて無事な成長を願ったのだろう。
(『背守り ― 子どもの魔よけ』 (LIXIL BOOKLET)より引用)


「百徳」に背守りをつけているものもあれば、普通の着物に背守りをつけているものがある。
ただ、糸で縫われているもの、アップリケのように、別の布で作ったもの
模様もさまざまだ。
子どもたちが本当に着ていた着物なので、襟は汗、着物の前は食べこぼしなどで、
保管が難しいとのこと。
この文化を伝えていきたい…
現在、真成寺に奉納された着物は、有形民俗文化財として、保管されている。
その数966点。1点ずつ写真をとり、
「真成寺奉納産育信仰資料 有形民俗文化財 調査カード」
にまとめられている。
真成寺を訪ねてから3年。
あのときに、孫育て・ニッポンでプロジェクト化できたらと作ったロゴが
やっと、お披露目できそうです。
次回は、ロゴのお披露目と、みんなと一緒に「背守りちくちく」ができる場所をご案内したいと思います。
何かが足りない…
2015年9月、思い切って背守りを施した着物が奉納されている
金沢の「真成寺」へ向かった。

金沢の東茶屋街をぬけ、住宅街から坂をのぼったところに「真成寺」はあった。
このお寺は、安産・子授祈願で有名な鬼子母神を祭っている。
中へ入ると、柄杓、千羽鶴、人形が目に入った。
残念ながら、背守りを施した着物を見ることはできなかったが、
真成寺に保管されている、背守りを施した着物の
たくさんの資料を見ることができた。
ちゃんと連絡をして、また来よう。
その頃、エクスプランテさんにもご相談しながら、
ワークショップ用のツールつくりも並行して行った。
つづく>>

「背守り練習帖」の図案を縫ってみる。
かわいい。
そして、ちくちくしている時間が、
とても豊かな時間に感じる。
妊娠中、おなかの赤ちゃんに、
何か作ってあげたくなったことを
思い出した。
新生児用の肌着に縫ってみる。
さらしで、沐浴布も縫ってみる。
さらしが家に3本も残っている、使ってない。
あるお母さんが話していた。
1本は何かの時に残しておいてほしいけれど、
家に眠っているさらしを寄付してもらい、
沐浴布や台ふきを縫うのはどうだろうか?

この頃は、いつも背守りを縫った台紙とさらしをいつも持ち歩いていた。
どこかで、ちくちくができないか、できる場所を探していた。

厚紙に2歳の子と一緒に縫ったこともあった。

「針なんか持ったことない」「玉結びはできない」という孫をもつ男性ともちくちく。

何となく、できそうな感じはあったけれども、何かがたりない。
つづく>>